1971

WHAT'S GOING ON/MARVIN GAYE/
FROM WHAT'S GOING ON(CLAVELAND-GAYE-BENSON)

 モータウン最高の曲の一つ、1970年代にベトナム戦争、公民権運動などさまざまな社会運動の中に、スライ&ファミリーストーンなどの登場を受けてニューソウルの時代がやってきた。モータウンも有能なソング ライターグループによるヒット曲生産工場から少しずつ変わってきた。ミュージシャン自身が自分の表現をしようとする動きが出てきたことである。一人は、スティーヴィー ワンダー、そして、このマーヴィン ゲイである。この人は、モータウンの社長の妹(姉)と結婚していたのだが、このころには不仲になっていてそのことも少しは関係したかな。
 最高のテナー ヴォイスを持つ、マーヴィン ゲイがじっくりと製作に携わり、スライとかのように攻撃的なサウンドではなく、ストリングスを主体に幾重にも重ねられたさまざまな楽器と素晴らしい声によって流れるようなサウンドを作り上げた。この曲も、ベトナム戦に対する反戦ソングであり、明らかなメッセージ性を持っている。また、この曲の次に出た、これも名曲のマーシー、マーシー ミーは、副題をエコロジーといい、今の社会にも十分通用するメッセージを持っている。
 この人の音楽のことをプログレッシブ ロックという人は、ほとんどいないと思うが、流れるように続いていくこの曲を含むアルバムは、コンセプトアルバムであり、実験的な音楽ではないが、革新的な音楽であった。しかも、多くの人にアピールできる素晴らしい内容を持っていた。
 まさに、名曲である。
(2001年2月22日)

WHIPPING POST/
THE ALLMAN BROTHERS BAND/

FROM AT FILLMORE EAST(GREGG ALLMAN)
今はなきデュアン オールマンがいたバンドがこれも今はなきフィルモアイーストで行われたライブを録音した名ライブの最後の曲。今は、次作のイート ア ピーチに収録されていたマウンテンジャムなどをいっしょにした完全版がある。
 このバンドの売りはなんと言ってもデュアン オールマンとディッキー ベッツのツインリードギターにあるだろう。また、二人のドラムとこの人もデュアンと同じオートバイ事故でしんだベリーオークリーの骨太なベースも聞き物である。
 そして、このウィッピングポストである。絞首台という題名なのだが、残念ながら歌詞の内容は知らない。曲もデュアンとディッキーのギターの応酬といえばいいのだが、とにかくギターの音に艶がある。ディッキーのギターもとても素晴らしいのだが、デュアンのここでのギターは神様の音である。ここまでの音を奏でてしまったから自分で天国の扉を開けてしまったのではないだろうか?レイラでも素晴らしいギターを聞かせてくれたが、この人はテクニックとか言うより、音の艶や響きにあるのかもしれない。「キューン」という音だけでここまで感動できるギタリストは少ない。リチャードトンプソンぐらいか?
(2000年12月7日)

DISNEY GIRLS(1957)/BEACH BOYS
/FROM SURF'S UP(BRUCE JOHNSTON)

ビーチボーイズといえば、ウィルソン3兄弟と、いとこのマイク ラブ、近所のアラン ジャーディンのメンバーが思い浮かぶが、後からは行ってきた重要なメンバーにブルースジョンストンがいる。この人とカールウィルソンのがんばりなしでは、70年代をビーチボーイズは乗り越えられなかっただろう。悩める親分のブライアン ウィルソンのツアーからのエスケイプの代理として入ったのだが、素晴らしいコンポーザー、アレンジャーである。この人は、他にもI WRITE THE SONGSをバニーマニロウで全米ナンバー1にしている。
 このディズニーガールズは、ビーチボーイズの70年代一の名作のサーフス アップのハイライトの曲の1つである。美しいコーラス、ハーモニーとノスタルジックなメロディの名バラードである。完璧な曲である。切ない。

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